透視図法がわかるユニークな入門書を紹介します。

本書は増補改訂版を準備中につき
販売を停止しています。
本年中に改訂版を完成する予定です。
ご諒解をお願い申し上げます

増補改訂版の表題は
「透視図と透視図法の構造」
の予定です。

 透視図法入門
 アマチュア画家のメモ
 遠近法の図法を理解しよう

本はブックウェイ(BookWay)から
電子版と紙書籍で出版されています。
ブックウェイ、アマゾン、ヤフー、
その他のサイトで購入できます。

内容については以下の紹介文と
内容抜粋をご覧下さい。

本の表紙

 透視図法の知識は建築物の透視図(建築パース)を筆頭に、各種のイラストレーション(イラスト、劇画、漫画、その他)でも必要です。絵画(アート)では、製図的な技法の詳細は不要でしょうが、その基本的な知識はよいデッサンを描く助けになります。何しろ、物の形状を目に見えるままに平面画に描く方法なのですから写実的な形の表現には是非とも必要な基礎知識です(とはいえ実は近似的な作図方法ですが)。


 先ず、本の内容の凡そを紹介します:

・この本は、遠近法と透視図の関係と透視図法の定義から始めて、透視図法の全ての根底となる最も単純で基本的な少数の命題を抽出して提示します。
・その命題に基づいて「二消点透視図」、「一消点透視図」等の簡単な作図法を解説します。
・また、三消点透視図も含む全ての作図法に用いられる重要な技法である「測点法」について技法の説明だけでなく、表面からは気が付かない構造を解説し、また、使用方法の拡張を説明しました。この拡張は、介線法の意味を理解し、また三消点透視図に測点法を自由に適用できる根拠です。
・これらの知識に基づいて、平面図を配置せずに自由画風に描く透視図の描き方とその正当性や、「三消点透視図」の手法とその根拠を詳述しました。
・また、「介線法」を紹介します。別の手法のように見える介線法も測点法による二消点透視図であることを理解します。更に測点法における通常の補助線と介線(という補助線)の関係を理解します。(下記のテント―虫はこの過程で生まれました)。
・最後に透視図法は、その定義に拘わらず実質は視覚像の球面を平面に展開する技法であるために、平面画には歪みが生じることを理解します。建築パースの作図範囲の制約や図の修正はこのためです。(地図のメルカトル法は上下方向(緯度)に歪が生じていますが、透視図法は上下左右全ての方向に均等に同様な歪が生じます)。
・更に、その他の様々な考察も含めて、透視図法の全体像を把握できるように考えました。

 ここまで理解すれば透視図法の骨まで透けて見える気がするでしょう。以上が本書のあら筋です。


 透視図法をこれから学ぼうとする人も、習ったが疑問を抱えている人も、本書で透視図法の根本を理解して下さい。そうすれば、もやもやした疑問も氷解するでしょうし、新しい技法や応用も容易に習得できるでしょう。実務的な製図技法や専門的な知識はこれから先に学んでください。

 絵画の遠近法の本を図書館で何となく手にとって見たのが著者にとっての始まりでした。書いてあることはわかりますが、全体的な構造を理解した気がしない。こうなると絵を描くのに必要と言うよりは、幾何学のクイズを解くような好奇心に駆られて、建築パースや図学の本などを何冊か読みました。一消点透視図や二消点透視図の描き方はわかりました。三消点透視図も間単な説明ですが、多分、正しい透視図が描けているんだろうと信じるだけです。測点法や距離点法の技法も分かりました。知識はどんどん増えましたが、何故かその分ますます透視図法の本質が掴めないもどかしさを感じます。この問題を解決するために、自分の理解を整理し系統立ててまとめることにしました。それを出発点として様々な考察を加え遂に透視図法について「納得」することが出来ました。その納得を皆さんと共有したい、これが本書の目論見です。

 人の目に見える自然は、常に、透視図的です。どこまで行っても交わらないユークリッド幾何学の平行線なんて、短い距離の近似値としてしか日常的には存在しません。なのに、人は平面画に日々目にするものをどう表現するか、長い間呻吟しました。人が何故見えた通りに描けなかったのか考えて見れば不思議なことです。500年ほど前のルネッサンスの初期からその技法の援用手段として透視図法が徐々に実用化されました。以来、連綿としてこの透視図法は、問題を含みながらも、使われています。
 事が視覚像の表現方法という身近な問題であれば、現在も将来も人の興味を引き続けるでしょう。面白いものは古くても新しくても面白いのです。透視図法を自家薬籠中の物にして楽しんで下さい。

著者: 野口 豊

公開開始日:2016年10月10日
最終更新日:2017年 2月 8日

下図を「テントー虫」と名付けました。二つの消点、四つの測点、四つの対称測点(本書の用語)の合計十点と、一つの点の透視図を求める四通りの作図を示しています。勿論、この図は遊びです。説明は本書で。

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